ETERNITY



 日も落ちてきた夕方。ルヴァはぶつぶつ言いながら宮殿の中を歩いていた。

「ゼフェル、ゼフェル〜。本当にどこに行ってしまったのでしょうかねー。
夕方執務室に来るって言っていたのに」

 もう一度ゼフェルの執務室に行ってみようと歩いていると、
私邸に帰ろうと執務室から出てきたランディに出くわした。

「こんにちはルヴァ様。探し物ですか?」

「こんにちはランディ。探し物っと言うか ――――
ゼフェルを見ませんでしたか?」

「ゼフェル、ですか?そういえば今日は会っていないです。
あいつまた何かやらかしたんですか?」

「いえ、そういうわけじゃ…」

 ルヴァは顔の前で手をパタパタさせながら、首を振る。

「見かけなかったのならそれでいいです。ありがとうランディ。
気をつけて帰ってくださいね〜」

「ルヴァ様もお気をつけて。じゃ」

 ランディはそう言うと私邸に向かった。ルヴァはランディの姿が見えなくなるまで見送ると、
もう一度ゼフェルの執務室に行こうと振り返った。

そこにはゼフェルが立っていた。

「おやゼフェル。どこに行ってたんですか?執務室で待ってても来ないので心配しましたよ」

「っだよ」

「え?何ですか?」

「ランディやろうと何をやってたんだって聞いてんだろ!」

「何をってゼフェルを見なかったか聞いてただけですよ。何を怒ってるんですか」

 ルヴァは訳も解らずワタワタしている。

「もおいい!」

 ゼフェルは一言そう言うとルヴァの横を通り過ぎていく。

「ちょっとゼフェル〜。用事はなんだったんですか?」

 ルヴァが叫ぶものの、ゼフェルは知らん顔で自分の執務室に入っていった。

ルヴァがゼフェルの執務室へ入ろうとドアのノブに手をかけた瞬間。

「入るな!」

 と中から声が聞こえてきた。

「ランディとは何でもないですよ。ゼフェルを見なかったか聞いただけです。
私が好きなのは ―――― ゼフェル、あなただけです。信じてください」

いつまで経ってもドアの開く気配がなかったので、ルヴァはドアを開けるのを諦め、

「自分の執務室に戻ります」

と、ドア越しに言った。

「ちょっと待てよルヴァ!自分の言いたいことだけ言って立ち去るのかよ!」

 執務室の前から立ち去ろうとしたルヴァの背中にゼフェルの声がささった。

 立ち止まったルヴァの腕を力一杯引っ張ると、ゼフェルは自分の執務室に引っ張っていった。

「ゼフェル、痛いです。そんなに引っ張らないでください。自分で行きますから」

 ゼフェルはルヴァの言葉に耳をかさず、執務室へ引っ張り込むと、
そのままルヴァを壁へ押しつけ、唇を貪るようにうばった。

長い長いキスの後、ゼフェルはゆっくりと唇を離すと、そのままルヴァを押し倒した。

「ゼフェルこんなとこでだめですよ。人が来たらどうするんですか?」

「かまうもんか。おまえはオレのものなんだから、他のやつのことなんて気にするな!他のやつと話なんてするなよ」

「ゼフェル…」

「ターバン、はずしてくれよ。おまえがオレのものだっていう証拠を見せてくれよ」

叫ぶゼフェルを見て、ルヴァは、

「あなたの気持ちはわかりましたよ」

 と言い、ゆっくりとターバンをはずした。

「こんなことしなくても、私はあなたのものです。これからもずっと…」




F i n



私的には一番ポピュラーなカップリングです。
やはりルヴァ様にはゼフェルでしょう。
今回は微妙にあまあまじゃなくなってしまったような・・・。
いつもの如く中途半端で終わっていますが、ゆるしてくださいね。





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