Christmas




「あの〜ルヴァ様ちょっといいでしょうか?」
「おや?ランディいいですよ」
公園のベンチで本を読んでいたルヴァは本を閉じると少し横へずれ「どうぞ」と席を促す。
「す、すいません」
ランディは少しためらいベンチに座った。
「私に用事なんですよね。何ですか?」
いつまでも口を開かないランディにルヴァは口を開いた。
「あ、あのーそのー」
しどろもどろになるランディの顔を見て、
「おや?ランディ顔が赤いですけど熱でもあるのでしょうか?」
ルヴァはそう言うとランディの額に右手を当て左手を自分の額にあててみた。
「なんだか手が冷たいみたいですねぇ、ランディじっとしててくださいね」
ルヴァはそう言うと体を乗り出した。近づいてくるルヴァの顔を見てランディはますます顔を赤らめた。
目をつぶったランディの耳にコツンと音が聞こえたそれと同時にルヴァの額がランディの額に当たる。
ゆでだこ状態のランディに、
「やっぱり何か熱っぽいですね。部屋で寝てた方がいいんじゃないですか?」
と言う。ランディは一言「大丈夫です」と答えると視線を地面に落とした。
「あ、あの。ルヴァ様」
「はーい?」
「今月の24日って空いてますでしょうか?」
「24日ですか?そうですね。うーんと何もなかったと思いますよ」
「その日の夜、俺に時間をくれませんか?」
「ええ、いいですよ」
「じゃぁ夜の6時ごろ私邸に来てもらえませんでしょうか?」
「わかりましたよ。6時にランディの私邸ですね。必ず行きますよ」
「ありがとうございます」
ランディは嬉しそうに笑うと立ち上がり、公園から出て行った。

12月24日
ルヴァは約束通りランディの私邸へ向かった。
コンコン。ドアをノックすると中からランディが出てくる。
「ルヴァ様わざわざ足を運んで頂いて申し訳ないです。とりあえず中へどうぞ」
ランディはそう言うと少し横にずれた。
「お邪魔しますねぇ〜」
ルヴァはそう言いランディの私邸へ足を踏み入れた。
「そのままリビングまで行ってください」
そう言われそのまま足を進めたルヴァの目に映ったものは飾り付けされた部屋とテーブル上にあるたくさんの料理。
「ラ、ランディこれは?」
リビングの入り口で立ち止まってしまったルヴァの背中をランディは中へ中へと押していく。
「本当はもっといろいろとしたかったのですけど、時間がなくて」
「いや、だからその〜ランディ。今日は何の日なんですか?」
「あれ?ルヴァ様ご存じないのですか?」
ランディは意外そうな顔をした。
「ええ、さっぱり」
「コレットに教えてもらったのですけど今日ってクリスマスらしいんです」
「クリスマス――ですか?そういえは昔何かの文献で見ましたね。確か『キリスト』って言う人の誕生日か何かだったような…」
ルヴァは頭の中をフル回転させた。
「俺も詳しい事は知らないんですけど、こうやって部屋の飾り付けをして食事をして。そ、その。す、好きな人と過ごす日らしいんです」
ランディは顔を真っ赤にし、下をむいてしまった。ルヴァもようやくランディの言葉を聞き、同じように顔を赤らめた。
暫く沈黙が続いた後ルヴァは「よっこいしょ」とイスに座った。ランディがルヴァの向かいに座ると、
「料理が冷めてしまいますね。いただきましょう」
とルヴァは言い、料理を口に運んだ。
「おいしいですねぇ」
「本当ですか?そう言ってもらえるとすっごくうれしいです」
「え?もしかしてこれって」
「俺が作ったんです。ルヴァ様の口にあってうれしいです。そうそうカティス様の置き土産のシャンパン。マルセルにもらってきましたよ」
ランディは嬉しそうにそう言うとシャンパンをグラスに注いだ。
「どうぞ」
「ありがとう、ランディ」
ルヴァはそう言うと一口飲んだ。
「これ本当においしいですね」
二人は仲良く食事を済ませた。 帰り際
「今日は本当にありがとう。ランディ」
「こちらこそわざわざ俺に時間をくれて本当にありがとうございます。
あ、これよかったら使ってください。俺からのクリスマスプレゼントです」
そういうと一つの紙袋をルヴァに渡した。 「開けてもいいですか?」 ルヴァはそう言い袋を開けてみた。中から出てきたのは皮製のブックカバーだった。
「たくさん持ってらした気がするのですけど、これしか思いつかなくて…よかったら使ってください」
「ありがとう、ランディ。大切に使わせてもらいますね」
ルヴァはそう言うと服の中に何かないかとあさってみた。しかし何も出てこず、
「ごめんなさいね。何もプレゼント持ってきてないですね」
「そんな気にしないでください」
首を振るランディを見て、
「そうですね。ランディ目をつぶってください」
ルヴァはそう言うとやさしくランディにキスをした。
「ランディ。Merry Chistmas」


FIN





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なんだか無理やりアップしたのが目に見えますね(^^;)
このパターンにしようかお子様3人のクリスマスパーティー版にしようか大分悩んだんですけど、 結局こっちになってしまいました。
ぎりぎりに考えたのでまたしても中途半端。
こんな感じにしかならない私の小説。なんだかな〜ですね…。