青   空



 光の守護聖ジュリアスから預かってきた書類を片手に、水の守護聖リュミエールは、闇の守護聖クラヴィスの執務室を訪れた。
「クラヴィス様、失礼します」
そう言い、クラヴィスの執務室のドアを開ける。
 薄暗い部屋の中には正面に机が一つその上にはクラヴィス愛用の水晶球があるだけだった。
「クラヴィス様」
 リュミエールはもう一度名前を読んだ。しかしクラヴィスは部屋にはいない。
 書類を机の上に置いていこうかと思ったが、やはりきちんと手渡す方がいいと思い、クラヴィスの執務室を後にした。
  

「あ、マルセル。クラヴィス様を見かけませんでしたか?」
しばらく宮殿の中を歩き回っていたリュミエールは前を歩く緑の守護聖マルセルに聞いた。
「あ、リュミエールさま。クラヴィスさまならさきほど宮殿の外を歩かれていましたけど」
「ありがとうマルセル。外へ行ってみます」
 リュミエールは急ぎ足で宮殿の外に出た。
 空は晴れ渡った青空。
(こんな日にクラヴィス様が外を歩き回るとは考えられないのですが…)
 リュミエールはそう思いながらもあちらこちらを歩き回る。
「おや?リュミエール。お散歩ですか?」
 いそいそと歩くリュミエールにベンチで読書にふけっていた地の守護聖ルヴァが声をかける。
「いえ、散歩というわけでは――― 。ルヴァ様、クラヴィス様をご存知ありませんか?私邸にも執務室にもいらっしゃらないのです」
「クラヴィス――― ですか?さぁ見てないですね〜」
 ルヴァは少し考え答えた。
「そうですか、ありがとうございます。読書の邪魔をして申し訳ありませんでした」
 リュミエールはそう言うと頭をさげ、ルヴァの前から立ち去った。
「クラヴィス、よかったのですか?リュミエールかなり探し回っていたようですよ」
 リュミエールの姿が見えなくなるのを確認すると、視線を本に落としルヴァは後ろの茂みにいるクラヴィスに声をかけた。
「いいんだ。リュミエールは私にかまい過ぎるからな。それに私たちのことがばれるとまずいだろう」
「それは、まぁそうですけど…でも本当は嬉しいのでしょ?」
 ルヴァは読んでいた本を閉じると後ろを向いた。
「フ、何を言うか」
 クラヴィスはそう言い、ルヴァの唇にくちづけした。
 突然のくちづけにルヴァは目を見開き、クラヴィスの唇から自分の唇を無理やり引き離した。
「私とのキスはイヤか?」
 クラヴィスは拒絶されたと思ったのか寂しそうな顔をした。
「そんな――― イヤだなんて…。ただ人が来るじゃないですか」
 ルヴァは顔を染めながら言った。
「ならこうしよう」
 クラヴィスはルヴァの前に出ると、ひょいとルヴァを抱きかかえさっきまで自分が隠れていた茂みへ運んだ。
「ここなら人目につかないだろう」
「――― そうですね」
 青空の下、茂みの中で二人の唇がゆっくりと重なった。



F   I   N



ここまで読んでくださってありがとうございますm(_ _)m
出勤途中にいきなり、クラヴィスとルヴァが書きたいと思い。
今までパロディなんて書いたことがなかったのに何を思ったのかこんなものを書いてしまいました(^^;)
皆さんのお目汚しになってしまい、すいませんでした。
こんな文しか書けないのに小説メインのサイトだなんて…。
もっとがんばって勉強します。




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