White Day

クラヴィスから送られてきたチョコの意味がわからないまま日数が経ち、
オリヴィエとクラヴィスは惑星視察から帰ってきたが、
報告業務が忙しいのかルヴァはクラヴィスに会えていなかった。

チョコレートとメッセージカード。何の意味だったのでしょうか。
ブツブツ言いながら聖殿を歩いているルヴァは後ろから名前を呼ばれ振り返った。
「こんにちは、オリヴィエ。視察はいかがでしたか?」
「ちょうどチョコレートがたくさんあったときだったからアタシは幸せだったよ。
あんないろんな種類のチョコレートなんて普段食べる事がないから」
そう言うオリヴィエにルヴァは
「そうです。あのチョコレートは何なのかご存知ですか?」
と聞いてみた。
「え?もしかしてルヴァ意味を知らないの?」
びっくりしたオリヴィエはルヴァに聞いた。
「えぇ、私もクラヴィスからいただいたのですが何のことだかさっぱりで…」
首を傾げるルヴァに
「アンタなら知ってると思ってたんだけど」
「すいません。勉強不足で…」
「まぁ、内容的には知らなくても納得できるか」
オリヴィエはそう一人で納得すると、ふと
「今日って何日だった?」
と聞いた。
「今日ですか?15日。土の曜日ですけど」
そう答えるルヴァに「あーっ!」と叫ぶと
「意味を知らないってことはお返しもしてないわよね」
「ええ。お返しも何も何をどうしたら良いのかわからないし、視察から戻ってきてからクラヴィスには会わないし…」
「そうね。今回報告書多いからね。でもまだ会ってないなら好都合☆
今からお返しを買いに行くよ」
「ええっ?」
「ほら。つべこべ言わないの」
オリヴィエはそう言うとルヴァを連れて下界に降りたった。

「オリヴィエ。どこに行くんですか。ジュリアスに見つかったら怒られますよ」
そう言ってもオリヴィエはお構いなしで、お菓子売り場へと向かって行った。
「さぁ。ここからクラヴィスへのお返しを考えて」
「考えてと言われてもですねぇ〜」
お菓子売り場に連れて行かれたルヴァは目の前のショーケースに並ぶお菓子とオリヴィエの顔を順番に見た。
いつまで経っても立ち尽くしているルヴァに。
「はー。あんたたちってそんなとこまで気が合うのね」
と言葉をもらすとキャンディとクッキーの詰め合わせを買うと、
近くの文具屋で紺のメッセージカードと白のペンを買い、ルヴァに渡した。
受け取ったルヴァは
「これをどうしたら?」
と尋ね、バレンタインデーの風習とホワイトデーでお返しをすると言うことを教えてもらった。
「クラヴィスが私を…」
そう思ったとたんルヴァの顔が赤くなった。
それを横で見てたオリヴィエは「やっぱり知らなかったのね…」とつぶやくと
「ほら。急いで聖地に戻るよ」
と声をかけた。

聖地に戻ったルヴァは一度自分の執務室に行き、メッセージカードにクラヴィスへのメッセージを書いた。
それをお菓子の箱と一緒に袋に入れるとクラヴィスの執務室へと向かった。
コンコン
「クラヴィス失礼しますね」
ルヴァはそう言うとクラヴィスの執務室へと入っていった。
クラヴィスは執務机で書類を書いていた。
クラヴィスは集中しているのか、ルヴァが入ってきたことに気づいていない。
ルヴァは暫くその場に立ち尽くしていたのだが、いつまで経ってもルヴァに気づく様子はない。
ルヴァは仕方がなく袋を応接セットのテーブルの上に置くとそのままクラヴィスの執務室を後にした。

ようやく報告書を書き上げたクラヴィスは応接セットのテーブルの上にある袋に気がついた。
クラヴィスはおもむろに立ち上がると袋のところに行き、中身を取り出した。
袋の中にはキャンディとクッキーの詰め合わせ。そして一枚のカードが出て来た。
カードを開くとそこには『あなたの気持ち確かに受け取りました。私も貴方のことが…』
と書かれていた。
「ルヴァ」
クラヴィスはこれを持って来たルヴァに気づかなかった自分に腹を立て、
急いでルヴァの執務室へと向かった。
「ルヴァ。失礼する」
クラヴィスはノックもせずにルヴァの執務室へと入っていった。
「どうかしました?」
執務机で仕事をしていたルヴァは立ち上がると机の前へと進んでいった。
クラヴィスはルヴァの前で立ち止まるとルヴァを抱きしめた。
抱きしめられたルヴァは一体何事かと思い「クラヴィス?」と声をかけた。
「ルヴァ。あのメッセージは本当か?」
耳元で尋ねるクラヴィスにルヴァは
「ええ。本当ですよ。私も貴方と同じ気持ちです」
と答えた。
クラヴィスはその言葉を聞いてようやく安心したのかルヴァへの抱擁をやめ、身体を離した。
二人は言葉もなく見詰め合うと、どちらからともなく顔を近づけ、甘くて長い口付けを交わした。

END


なんとか書き上げました。
今回はわざと一日ずらしてのアップです。
一応内容とあわせてということなんですが、
意味があったのでしょうか。
全然ホワイトデーについてクラヴィスは気づいていない気が(爆)
すこしでも楽しんでいただけたら幸いです。
感想等いただけるとすごくうれしいです。



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