a shooting star


私邸でのんびりと読書をしていたルヴァははたと今日は流星が一番良く見える日だった事を思いだした。
ルヴァは私邸から外に出、空を見上げてみる。
空は雲一つ無い空。ルヴァは私邸には入らずそのままどこかに向かい歩き出した。
暫く歩くと緑の守護聖カティスの私邸が見えてきた。
カティスの私邸に着いたルヴァは館の二階を見上げ、寝室の灯が点いているのを確認し、いつもしているように寝室の窓に向けて小石を投げた。
コツンという音がした後、窓が少し開く。それを確認し、ルヴァは玄関にまわった。
実はこの一連のやり取り、二人の関係が変わった時に出来た一種の暗号。たまに泊まる執事を起こさずに会うための方法である。
暫くすると玄関が開き、カティスが出てきた。
「どうしたんだルヴァ。こんな時間に俺にでも会いたくなったのか?」
「そ、そんな・・・」
少し照れたルヴァは頬を染めながら俯く。
「冗談だ。で、ホントどうしたんだ?」
「あ、あの〜。今日は星が綺麗なんです。いまの流星群は五年に一度やってくる流星群で特に今日が一番 接近すると言われてるんですよ」
ルヴァはそこまで話すと
「で、どうしても。そのー。貴方と一緒に見たいと思いまして・・・約束もしていない日なのにこんな時間にお伺いしたのです」
ルヴァは少し上目にカティスを見ると
「迷惑でしたか?」
と聞いた。
「迷惑なものか」
そんな顔で見られたら迷惑でも言えるわけがないだろ。カティスはそう心の中でつぶやくと
「すぐ用意するから少し待っててくれ」
そういうと、カティスは自室へ戻ると出かけられる服装になり、戻ってきた。
「歩くか?それとも馬を出そうか?」
尋ねるカティスにルヴァは
「今日は歩きたい気分です」
と答え、二人でのんびりと聖地を見下ろせる丘へ向かった。
丘に着いた二人は横になると空を見上げた。
「あっ。流れましたよ。カティス。見ましたか?」
流れる星を見、子どものようにはしゃぐルヴァを見、カティスは、
「そうだルヴァ。流れ星に三度願い事を唱えると願いが叶うって知っているか?」
と聞いた。
「いいえ。そんなのあるのですか?」
「ああ。但し、一つの流れ星が消えるまでに三度だから、かなり難しいがな」
それを聞いたルヴァは真剣に流れ星を見、星が流れるたびにぶつぶつ言う。
「カティス。難しいですよ」
頬を膨らませながら抗議するルヴァを見、カティスは笑いだした。
「どうして笑うんですか」
「いや。ルヴァが可愛くてなついつい」 そんなカティスの言葉を聞き、もう一つ頬を膨らましたルヴァに、
「そんな顔をするな。ルヴァのそういうところが俺は好きなんだからな」
といい、唇を重ねる。
そのあと暫く二人で流れ星をながめた。 星は二人を祝福するように流れ続ける。
「ところで、何をお願いしようとしていたんだ?」
そう尋ねるカティスにルヴァは
「内緒です」
と答えた。
(だって星の下で貴方とキスがしたいという願い事だったのですからね)


自分の私邸に戻るというルヴァを
「お茶でも飲んで温まって行け」
と無理やり私邸に連れ込んだカティスは応接間にルヴァを通し、お茶の用意をしに、席を外した。
いつも通されるカティスの私室とは違い、応接間には暖炉やローチェストなど色々なものが置いてある。
ルヴァはローチェストの上に置いてある写真立てに目が留まり、席を立つと、写真立てを手にとった。
その写真には、にこやかに笑っている両親に挟まれ、幸せそうな顔をした子どもの頃のカティスが映っていた。
「どうした、そんな昔の写真をじろじろ見て」
いつの間に来ていたのかカティスはルヴァの横に立つとルヴァの手から写真を取り、写真面を下に、ローチェストの上に置いた。
「さ、温かいうちにお茶にしよう」
カティスはルヴァの背を押し、ソファーへ促した。ソファーに座っても俯いたままのルヴァに、
「あの写真がどうかしたか?」 と聞いた。
「いえ。あんな幸せそうな顔をしたカティスは見た事がなくて・・・」
「まぁな。でもあれはもう遠い過去だ」
カティスは遠い目をしながら
「サクリアが無くなり下界に戻ったところであの人たちはもういない。 俺の事を知っているやつは一人もいないんだ----。
それがわかっていながらも未だにこんな写真を飾っている俺なんだがな」
カティスは自嘲すると、こんな話はもう終りだと言いたげにコップに手を伸ばした。
「―――――ます」
「ん?」
ポソリと何かを言ったルヴァの言葉が聞きとれず、カティスは聞き直した。
「私がいます。貴方のサクリアが無くなり、下界に降り立つ時が来たら、私も一緒に下界におります。 ―――だから・・・そんな寂しい事は言わないでください」
ルヴァはそういうと目の前に座るカティスに自分の意志を伝えるべく、くちづけをした。



FIN



かなりお待たせしていましたキリリク(カティス×ルヴァさまです、
久しぶりに小説を書いたということで、今までよりひどいかも・・・。
すいません。これからはコンスタンツに頑張っていきたいと思います。
リク内容は流れ星だったのですが、流れ星でしょうか。すごく疑問が残る状態です・・・。
最後にキリ番を踏んでくださったSOLOさま。
本当にお待たせした上こんなのしかできなくてすいません。
こんな私ですが、また遊びに来てくださいね♪
ご要望のあった大人要素はもう暫くおまちください。頑張って書こうと思っておりますm(_ _)m




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